マザーボード買い換えのパーツ載せ替えで2年前に購入したCPUグリス「SMZ-01R(2g)」をCPUに塗布してたら途中で切れたので、新しく前から気になっていた「サンハヤト SCH-30」を買いました。
SCH-30は産業機器向けの熱伝導グリスで、パソコンショップよりは電子部品を売っているお店に置いてあったりするのですが、熱伝導率が0.84W/m・Kと他のCPUグリスより数値が低いものの、12g入りが1300円前後で売られていて容量単価が安いのが魅力です。
パソコン構成
- CPU:AMD Ryzen7 5700G
- CPUクーラー:PCCooler K4-WH
- メモリ:Crucial CT2K16G4DFRA32A(DDR4-3200 16GB×2枚)
- マザーボード:MSI MPG B550 GAMING PLUS
- ストレージ:ADATA SATA SSD 120GB
- 電源:FSP RA-750W ※仮組用に古い電源を使用
- 設置場所:机の上にオープンな状態

いわゆる検証台とかベンチ台に近い状態です。
CPU温度は自分環境下での確認のために計っているもので、温度の数値は参考程度です。
サンハヤトの耐熱放熱用シリコーンSCH-30

一緒にグリス用ヘラも購入した。
SCH-30の主な仕様
- 熱伝導率:0.84W/m・K
- 体積抵抗率:1.5×10^14Ω・cm
- 使用温度範囲:-30~300℃
- 混和ちょう度:330
- 内容量:12g(5ml)
購入:マルツオンライン、1120円(税込) 2025/03/25
パッケージ裏面の使用用途には「トランジスー、IC,、CPUなどの半導体デバイスの放熱」と書かれていて産業機器向けの熱伝導グリス。
熱伝導率が0.84W/m・Kと他のCPUグリスと比べると数値が圧倒的に低いものの、12g入りで実売1100円ほどなのでCPUに負荷かけた状態で普通に冷やせればコスパが良さそうです。
グリスの塗り替え

前のグリスは上記写真の量で使い切ったので、このままCPUクーラーを上から押して固定しました。
さて、CPUクーラーを取り外します。


写真だとグリスの色が濃いシルバーに見えますが暗めに撮影してるので実際は明るいグレーな色です。
マザーボードの動作検証で1週間前に塗ったグリスSMZ-01Rを紙ウエスにパーツクリーナーを染み込ませて拭き取ります。CPUクーラーのヒートシンクは電気的な部品が使われていないので直接パーツクリーナーを吹きかけてグリスを溶かしました。
工業用グリスや潤滑油の考えから、異なる製品のグリスは混ぜたくないので念入りに拭き取ります。


グリスを拭き取りました。CPUクーラーのヒートパイプの隙間に多少グリスが残っているものの漏れ出したグリスが付くだけなのでまあ気にしません。
今回はヘラでグリスを伸ばして塗っていくので、グリスがCPUのヒートスプレッダから漏れないようにマスキングをします。

ヘラで伸ばしてもCPUクーラーの圧でグリスが外側に伸びるので余白を広めにマスキングしました。
グリスを塗る前に先端の空気に触れてそうな部分のグリスを少しだけ出して捨てます。

SCH30のグリスの色は白というよりクリーム色な感じです。ちょう度330で柔らかめのグリスらしいですが、室温が低い(17℃)のか押し出すとき少し固い感じがしました。

こんな感じに塗り終えた。
あまりグリスの塗り直しはしないのと、中央に直乗せやエックスにして伸ばしもしなかったのでグリス粘度の感触は分からないのですが、このグリス最初に押し出すときに固めの印象とは違いヘラで伸ばしやすい感じです。

マスキングテープを剥がすと右側の(ケースにマザーボードを取り付けた時の上部側)余白が広めですが、CPUクーラー取り付ける際の圧で伸びるので気にしません。
逆に、ヒートスプレッダみっちりグリスを塗ると溢れだしそうな気もするので。

CPUクーラー取り付けて時間が経つとクーラーの圧でグリスがじんわり伸びてきた
写真の赤い矢印の部分はマザーボード上部側になるのですが、ヒートパイプの隙間からグリスが出てきてるので、CPUグリス塗るときに余白広めでも問題ないかもしれません。
続いてIOパネルのVRMヒートシンクから。

こっちは、CPUグリス塗った余白が狭い部分なので、さっきの場所よりグリスがはみ出る量が多いです。
これから、長時間CPUに負荷をかけつつCPU温度の状態を見ていきます。
CINEBENCH R23を1時間実行してのCPU温度
室温は17~23℃ぐらい。自分環境下でのCPU温度確認で測っただけなので温度の数値は参考程度です。なお、CPUファン制御はBIOSデフォルト設定のままです。
前のCPUグリスベンチ走らせた時は暖かい日が続いてて部屋で暖房使わなくても室温23度ぐらいでしたが、新しいグリスが届いたタイミングで寒波が来て石油ファンヒーター使いながらなので、まあ室温は適当です。
マザーボードの設定(特にCPUとメモリ周り)をデフォルトの状態でCINEBENCH R23を1時間実行してのCPU温度を見ます。
温度の計測はHWiNFOを使い、ベンチ実行前にリセットしてベンチ終了後にスクリーンショットを撮って温度の数値を見ます。
CrucialのDDR4-3200ネイティブは、このマザーBIOSのメモリクロックを自動に設定していると2666MHzで認識してます。

HWiNFOの値はこうなってます。

SCH-30でCINEBENCH R23を1時間実行したときのスコアと温度
- R23スコア:13431pts
- CPU温度(最大):69.6℃
- CPU温度(平均):67.2℃
室内温度の参考までにマザーボードの温度
- システム(最大):36.0℃
- システム(平均):34.5℃
- MOS(最大):39.5℃
- MOS(平均):37.6℃
ちなみに、CPUグリスをSMZ-01RでBIOS設定とCINEBENCH R23を同じ条件で実行するとこんな感じに。

SMZ-01RでCINEBENCH R23を1時間実行したスコアと温度
- R23スコア:13568pts
- CPU温度(最大):65.1℃
- CPU温度(平均):64.0℃
参考にマザーボード温度
- システム(最大):33.5℃
- システム(平均):32.9℃
- MOS(最大):38.5℃
- MOS(平均):37.5℃
システムの最大温度がSCH-30の方が2.5度高いものの、CPU温度はSMZ-01Rの方が約4℃ぐらい低くなってます。R23のスコアはSMZ-01Rの方が130ptsほど高いですが誤差レベルかもしれません。
SCH-30はCINEBENCH R23実行でCPU温度が70℃超えてないので、熱伝導率が低いものの常にベンチ回し続けることはしないでしょうし、普通に冷えそうな気がします。
GameBoost有効にしてPrime95 Blendを実行してのCPU温度
MSIのMPG B550 GAMING PLUSのマザーボードにはGameBoostというCPUに供給する電力を上げる簡易オーバークロック的な機能があります。
CPUの負荷が高くなるとCPUに供給する電力が上がりCPU温度も高くなるので、この状態でPrime95 Blendを走らせてサーマルスロットリングが発生しないかを見るのが狙いです。

BIOSからGameBoost有効にしてメモリクロックも3200MHzに手動で設定しています。
Prime95 Blendの実行時間は「SCH-30で16時間」「SMZ-01Rで6時間」と違いがあるので、最大温度で見ます。
SCH-30でPrime95 Blendを16時間実行したときの温度
Prime95のBlendは負荷のかけ方にいくつかパターンがあるようでCPUパッケージ電力が高い状態のCPU温度を目視で確認したかったので、12時間の予定が16時間まで走らせました。

- CPU温度(最大):88.4℃
- CPU温度(平均):58.4℃
- CPUパッケージ電力(最大):143.7W
- CPUパッケージ電力(平均):74.5W
参考にマザーボード温度
- システム(最大):38.5℃
- システム(平均):29.5℃
- MOS(最大):48.5℃
- MOS(平均):34.3℃
CPUパッケージ電力が上がるとCPU温度も高いです。VRMも電力を要求する影響かMOS温度も高くなってます。
Ryzen7 5700GのTjmaxは95℃なので、夏になるとサーマルスロットリングが発生しそうな感じ。
SMZ-01RでPrime95 Blendを6時間実行したときの温度
この時は、仮組での負荷テスト(Prime95 Blend 24時間実行)も完了してて、後になってGameBoostの機能があるのを知りあまり分からないまま「とりあえず6時間」走らせてました。
- CPU温度(最大):87.9℃
- CPU温度(平均):58.4℃
- CPUパッケージ電力(最大):134.8W
- CPUパッケージ電力(平均):85.1W
参考にマザーボード温度
- システム(最大):40.5℃
- システム(平均):37.2℃
- MOS(最大):51.0℃
- MOS(平均):43.4℃
こちらも、CPU温度が最大87.9℃と高い。CPUへの電力要求してるのでMOS温度も高くなりますね。CPUパッケージ電力が高いのでCPUクーラー「K4-WH」の性能の限界も近い感じもします。
CINEBENCH R23とPrime95 Blendを実行したときのCPU温度は、SCH-30とSMZ-01Rとで数度の違いはあるけれどグリスがしっかり塗られていれば熱伝導率は関係ないような気もします。
SMZ-01Rはグリスを塗布してる途中で切れたので塗が適当なのですが、CPUクーラー外した時のグリス痕を見ると一応広がってるので、グリスの塗り方は量が少なすぎずCPUクーラーの圧で広がって空気が入ってない状態だと大丈夫な気がします。
購入4ヶ月後に中古ノートPCで使用したらCPU温度が悪化した(追記修正)
サンハヤトのSCH-30はCPU負荷時のCPU温度がそこまで高くならず、オーバークロックしない通常の使い方なら十分な冷却性能があるグリスだとは思います。
それで、購入してから4ヶ月後の7月末に中古ノートパソコン(i5 10210U)を購入して、そちらのCPUグリスも塗り替えたのですがCINEBENCH R23やPrime95実行で直ぐにサーマルスロットリングが発生しました。

CPUグリスをSCH-30に塗り直した中古ノートPCでCINEBENCH R23実行中のモニタリング。
詳細は以下のリンクに書いていますが、まあ余分なグリスを多めに捨てて何度も塗り返してもサーマルスロットリング発生が変わらずで油分が分離してたみたいでした。
それで、新しいグリス、以前と同じ親和産業の「SMZ-01R」を購入して塗り直したらCPU温度下がりました。
このグリス「SCH-30」を塗って4ヶ月経過したデスクトップパソコンでは、CPU温度は塗り始めの頃と変わりないのでグリスの劣化は見られないです。
ただ、グリス容器の中で劣化してる場合も考えられるので、デスクトップパソコンでグリスを塗り直したら、ハッキリ分かるとは思いますが、まあケースからマザーボード外すのが面倒すぎて、そこまで気が進まないです。
SCH-30は大容量でグラム単位のコスパが良いので使えたらよいのですが、個人で使うには1gや2g少量の数回で使い切るのが割に合ってる気がしました。
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