地元のパソコンショップで1600円で売られていたAINEXのUSBキャプチャーデバイス「CAP-RCASUSB」を買ってみました。


ドライバ不要のUVCなのでLinux環境でも使えましたが、フレームレートも製品仕様では720×480 30fpsとありますが25fpsまでしか設定できなかったので、正直う~ん…といった感じで微妙な製品。
ただ、仕様で入力音声もモノラルなのでWindows環境だとそのままモノラル音声なのですが、LinuxMint + OBS Studioの環境でステレオ音声になったのは面白かったです
CAP-RCASUSBは最大フレームレートが25fpsなので映像がカクつく
適当に作ったサンプル映像をDVD-RWにDVD-Video形式に書き込んでPS2で再生して「CAP-RCASUSB」で取り込んでみました。
映像は左右にテキストが動いて、音声も左右に分けて流れているだけです。
まずはビデオで見てもらうと分かりやすいかと
[🎥1440×480 30fps、10秒、738KB]
- キャプチャ映像: DVD形式 720×480 29.97fps 4対3 → 720×480 29.97で取り込み
- 元映像: 720×480 30fps
左が「CAP-RCASUSB」でキャプチャー取り込み、右が元映像です。音声はあえて無音にしています。
左右に流れるテキストを見ると分かるのですが、「CAP-RCASUSB」で取り込むとフレームレートが25fpsになるのでカクついています。
PS1の新テーマパークのような元からカクカク動いてるゲームなら違和感を感じないのですが、テレビ並みのフレームレートがある動きだとカクカクしてます。。
OBS Studioでいくら設定しても25fpsが最大で製品仕様の30fps(29.97fps)にはならなかったです。
「CAP-RCASUSB」の入力フォーマット
同じOBS Studioでも、WindowsとLinuxMintで入力フォーマットの項目が多くありました。
Windowsでの入力フォーマット(アマレコTV)
OBS StudioもアマレコTVも選択できる入力フォーマットは同じです。アマレコTVが入力フォーマットが一覧で表示されるので分かりやすかった。

アマレコTVで確認できる入力フォーマット
映像フォーマット | 解像度 | フレームレート |
---|---|---|
MJPEG | 720×480 640×480 480×320 320×240 | 25fps |
YUY2(YUYV 4:2:2) | 480×320 320×240 | 25fps |
640×480以上はMJPEGしか選べません。
映像フォーマットについて素人なので詳しくないのですが、MJPEGは映像の1コマ1コマ(1枚1枚)をデジカメのJPEG画像のように記録する映像フォーマット。
フレーム単位での編集がしやすいですが、JPEG画像のように圧縮してるので文字の輪郭などに圧縮ノイズが目立ちます。
MPEGとかh264とかは時間軸でも圧縮してるのでMJPEGとはまた違うんですけど。
うちも詳しく分からないので間違ってる部分があるかもしれません。
YUY2やRGB、YV12などのフォーマットについて詳しく解説してる記事があったのでそちらを参考にしてください。

さて、YUY2だとテレビ放送と同じフォーマットで「非圧縮」の分類なので(厳密にはRGBの24bitカラーから色数を落として容量を小さくしてるのですが)圧縮ノイズが出ないのですが解像度が480×320が最大なのでぼやけた感じになります。


720×480の方が文字がクッキリしてるのですが、MJPEGなので文字の輪郭に圧縮ノイズが目立ちます。一方で、480×320はYUY2で圧縮ノイズがありませんが解像度が低く文字がぼやけるのと、縦横の比率も違いますね。
720×480でYUY2が選択できればいいのですが、MJPEGだけなので圧縮ノイズの劣化が気になる。
Linuxでの入力フォーマット(OBS Studio)
LinuxmintにインストールしたOBS Studioを使って入力フォーマットを確認しました。
映像フォーマット | 解像度 | フレームレート |
---|---|---|
MJPEG BGR3 YU12 YV12 | 720×480 640×480 480×320 320×240 | 25fps 20fps 10fps 5fps |
YUY2(YUYV4:2:2) | 480×320 320×240 | 25fps 20fps 10fps 5fps |
フレームレート25fps以外を選択できるのはOSに関係なくOBS Studioだからかもしれないです。
Windowsとの違いは映像フォーマットに「BGR3、YU12、YV12」が選択できるようになってること。




選択できる入力フォーマットは上記表と画像の通りです。
Linuxでも映像フォーマットをYUY2にすると480×320までの解像度しか選択できません。
Linuxだと720×480の解像度でMJPEG以外の映像フォーマットも選択できましたが、YU12やYV12とかにししてもMJPEGと同じような圧縮ノイズが出ていて変わらない気もします。


OBS Studioでキャプチャーしてる映像と設定ウインドウを重ねて表示させるのにこんな感じになってて、左上が入力映像です。

拡大して文字輪郭を見ると、どちらも圧縮ノイズが出てて同じMJPEGに見えます。
CAP-RCASUSBで取り込んだ音声がモノラルになる現象について
製品仕様にも「入力音声はモノラル」と書いてあるので、Windows環境でモノラル音声なのは仕様なのですがLinux環境でOBs Studioで取り込むとステレオで取り込めます。
キャプボは違いますが以下の動画と同じ現象。動画の11分05秒辺りからモノラル音声について解説されてます。
多分この動画と同じ現象でモノラル音声になってる。
そのため、Windowsで「mono-to-stereo」の仮想音声出力デバイス?を使うことでステレオ音声を出力確認出来たのと、何故かLinux環境のOBSで何もせずともステレオ音声で録画・録音出来た。
ただ、WindowsのOBSで録画すると音声はモノラルのままなのでステレオミキサーなど工夫がいる。ステレオ音声も左右逆になるので「mono-to-stereo」の設定で左右反転も必要。
CAP-RCASUSBのデコーダーチップはMS2106E?
USB Device ViewerでCAP-RCASUSBのプロダクトIDが「0x0021」になってました。

このプロダクトIDで検索をすると、見た目そっくりなUSBキャプチャの情報が出てきた。

中華製によくあるOEM製品かな・・・
リンク先の記事もプロダクトIDが「0x0021」で、デコーダーに使われているチップが「MacroSilicon MS2106E」らしい。
と言うのでチップについて🔍検索したらMS2106Eのデータシートが出てきた。
海外の半導体通販サイトがヒットしてこのチップのデータシートがあった。
データシートから映像フォーマットは
YUV422 | MJPEG |
---|---|
480×320@25Hz/20Hz/10Hz/5Hz 320×240@25Hz/20Hz/10Hz/5Hz | 720×480@25Hz/20Hz/10Hz/5Hz 640×480@25Hz/20Hz/10Hz/5Hz 480×320@25Hz/20Hz/10Hz/5Hz 320×240@25Hz/20Hz/10Hz/5Hz |
と記載されてました。
このことから、720×480はMJPEGのみで、フレームレートは最大25fpsまでのようです、30fpsは無理そうですね。
CAP-RCASUSB、分解してないのでデコーダーチップが何なのか確信がないのですが、映像フォーマットの仕様も一致してますし、恐らくMS2106Eじゃないかなあと思います。
CAP-RCASUSは720×480の最大フレームレートが25fpsと微妙な仕様
ドライバ不要の720×480の29.97fpsのキャプチャデバイスを求めていたので、720×480はMJPEGで最大25fpsという何とも微妙な仕様の製品でした。
レトロゲームのようなヌルヌル動かないゲームだと25fpsでも違和感ないのかもしれないですが、これが例えばVHSのデジタル化に使用する場合、テレビは29.97fps(60iとか細かい話は抜きにして)なので25fpsで録画するとカクつくので、この製品でデジタル化は微妙です。
アイオーデータのGV-USB(初代)がWindows11に対応してないので、その代替として買ってみましたが、代替とはいきませんでしたね。2000円以下で購入できるので値段なりって感じの製品かな。
VHSのデジタル化は専用ドライバで動くGV-USB2の方がいいのかもしれない。
ただ、CAP-RCASUSBはドライバ不要でLinuxで使えるのは面白かったので、映像が写るだけで良く、Linux環境で動かしたいならいいかもしれない。
このサイトはAmazonアソシエイト・プログラムに参加しており、このリンクを通じてサイトが紹介料を獲得しています